sot-l’y-laisseソリレス について

料理のレシピに関しては、最近はスマホのアプリでもたくさん出ていてネットで調べることができるので便利に使っている。七面鳥に関して、クックパッドで調べても良かったが、せっかくパリにいるんだからとアレクサンドル・デュマの『大料理辞典』le Grand Dictionnaire de Cuisineを紐解いた。いや、正確にはiPadでPDFを開いたんだけど。実は、定年退職で研究室から家に引き上げた本が数千冊に及ぶ。定年2年前からブックスキャンのプレミア会員に登録して毎月50冊分のスキャニングをしているが、とても追いつかない。それで、今は自宅で買い込んだスキャニング装置を使ってコツコツとデジタル化している。ブックスキャンで他炊した本の中には、以前研究対象にしていたアレクサンドル・デュマの本もたくさんあって、『大料理辞典』もあった。よせばいいのにその中の七面鳥の項目を調べてみた。この本はレシピ本というよりは美食をめぐる薀蓄うんちく話にあふれていて、七面鳥の項にはこんな逸話が書かれていた。せっかくだから紹介しておこう。


七面鳥の肉は、特に冷たい状態では風味に満ちて鶏肉よりも素晴らしいものだが、世の中にはソリレス(語源的には「馬鹿がそれを残す」の意味)しか絶対に食べない食通がいる。ある日のこと、20年もの間フランスとイギリスに流行というものを教えてきたあの有名なドルセー伯爵の叔父のグリモー・ド・ラ・レニエール 1は、金策で出張中だったが、夜になったか悪天候か何かしらのっぴきならない障害で、美食家は田舎の宿屋に留まらざるを得なかったときに、宿の主人に何か食べるものがないかと尋ねたときであった。
宿の主人は恥と後悔が入り混じったていで食糧倉庫はまるで空っぽでございますといった。
まさに調理場の入り口のガラスの嵌はまった扉の向こうに赤々と燃える台所の火がこの有名な美食家の目に止まった。彼は一本の鉄串に刺さった7羽の七面鳥がくるくる回っているのを驚いて見ていた。
「鉄串に素晴らしい七面鳥がいい具合に焼けているのに、どうして君は夕食に私に食べさせるものはないとなどと言ったんだ?」グリモー・ド・ラ・レニエールは宿の主人に言った。
「それはそのとおりでございますが」と店の主人は言った。「ですがあれはあなた様の前にパリからきなさった紳士が予約されてまして。」
「それでその旦那は1人か?」
「たった1人をございます。」
「じゃあ、その旅の方はよほどの大男とみえる。」
「いえいえ、あなたとどっこいどっこいでございますよ。」
「あー、それならその人の部屋の番号を教えてくれ。1羽ぐらい譲ってもらえなきゃ、よほどは俺はまぬけだということになる。」
グリモー・ド・ラ・レニエールは明かりを点けさせて旅人の部屋に案内させた。客はしつらえられたテーブルの側で、暖かな火を前にして2本の肉切りナイフの刃をシャカシャカとこすりあわせていた。
「おやおや、なんてことだ!間違いないな、あなたは私の息子殿ではないか」とグリモー・ド・ラ・レニエールが叫んだ。
「はいお父様」と、慇懃な身振りでその若者は答えた。
「じゃあ、夕食用に7羽の七面鳥を串焼きにさせているのはあなたなのか?」
「父上」と愛すべき若者は答えた。「あなたは私がこれ程下世話で私の生まれに似つかわしくないセンスを見せているの見てさぞかし耐え難い思いをなさっていることと理解しますが、しかし食べ物に関してこの旅館にはこれしかなく、選択する余地がなかったのです。」
「とんでもない!鶏とりも雉きじもないのだから七面鳥を食べるのを責めたりはしません。旅の途中では見つかるものを食べるしかないのだから。私があなたを責めるとしたら7羽の七面鳥をたった1人で食べるということですよ。」
「父上、トリュフの詰まっていない七面鳥にはsot-l’y-laisseソリレス 2しか本当に食べるべきものはないとあなたが常々友人に言っていたことを聞いておりました。私は14個のsot-l’y-laisseソリレスを食べるために7羽の七面鳥を焼かせたのでございます。
「これは」と、この頭のいい若者への尊敬の念を示すために父親は答えた。「18歳の若者にとって少々高くつきすぎると思うが、無分別とまでは言えない。」
アヴィニョンといえばいつの時代でも美味しいものを食べる町であるが、それはかつてアヴィニョンが法王庁があった時代の伝統のおかげだ。
この町の尊敬すべきある裁判所長は七面鳥を高く評価していた。
かれはあるときこう言った。
「誓って言うが、私達は今、素晴らしい七面鳥を食べた。くちばしにまでトリュフが詰まった見事なもので、鶏のように柔らかく、ズアオホオジロのように脂が乗って、ツグミのように香りが良い。まさに、骨だけ残して全部平らげたよ。」

「何人で?」と詮索好きな男が尋ねた。
「二人だったよ」と彼が答えた。
「二人?…」
「そう、七面鳥と私」
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アレクサンドル・デュマ(父)の『大料理辞典』七面鳥の項から

 

こういう挿話を読みながら、デュマの料理辞典は結局、料理のレシピとしては全く役に立たなかったわけだが、こんなことも旅の楽しみだと言えるかもしれない。

2014年8月10日

Notes:

  1. グリモー・ド・ラ・レニエール Grimod de la Reynière (1758‐1837)は『食通年鑑』(Almanach des gourmands)を発行した有名な美食家の始祖といえる人物。 ↩
  2. sot-l’y-laisseとは読んで字の如し、「愚か者がそれを残す」の意味で、七面鳥(だけでなく、家禽のたぐいにある)の腰骨のくぼみについた肉で、美味とされた部位。 ↩

Kobo Writing Life の不具合から(その2)

素早い対応で感謝したKoboチームであったが、その後、発売したはずのタイトルが肝心の楽天koboの書店に表示されない。どうしてだろうと不可思議だった。すると以下のような不具合がアラートで表示されていた。

 

Please note that we are currently experiencing a processing delay in publishing titles. Our development team is working on this and we hope to have this fixed as soon as possible. We sincerely apologize for the inconvenience.

現在、出版タイトルのプロセスの遅れがあることが分かっております。当社開発チームがこの問題の対処にかかっており、可及的速やかに解決できることを願っております。この不具合について心からお詫びします。

このアラートが出てからもう一週間以上経過しているが、未だに解決していない。大丈夫か、Koboチーム!?

 

Kobo Writing Life の不具合から

Kobo Writing Life の不具合からなんて書いていいかなと思ったけど、事実だからなぁ。

これまでKobo Writing Lifeでも電子書籍を出版していた。というのは、AppleのiBooks、Google のPlay Booksでも、Kindleでもそれぞれ出版してきたから、この4つのストアは私の中で特別なストアだった。

Kindleはとにかく早い。最速記録は新しい本をアップロードして3時間後にはもうストアに並んでいたほど。

iBooksは審査がかかるようなので、それほど早くはないが、画像サイズとかのガイドラインが厳しいが、エラーの記述が厳密でわかりやすい(もちろん、私の個人的な印象だが)。

Google はISBN記号がマストなので、そもそも個人出版は相手にしていない。他の3社と比較すると、電子本の出版はそれほど本腰を入れるつもりはないのかと邪推するほどいわばいい加減だ。出せたのか出せないのかわからないほどのエラーを吐き出して、こちらが対処に困る。しばらくそのまま放置しているといつの間にか出版されている、という具合だ。

 いや、最近はISBNは必須ではなくなったようだ。お詫びして訂正します。

そして、今回はKoboのことだ。

Koboはカナダ発のストアで、元々がフランス語だったので個人的に好きだった。Writing Lifeになる前から個人出版を手がけていたので、日本では割りと早い頃から登録して出版し始めていた。もちろん全部が英語だが、出版の手続きも比較的わかりやすく、とても好きなストアであった。楽天に買われてどうなるのかと思ったら、最近まで非常にわかりにくく、楽天アカウントとKoboアカウントの紐付けがうまく行かなかったために、KoboのURLにログインしようとすると楽天にリダイレクトされてなかなかログインにたどり着かないというトラブルが頻発した。この件についてはFacebookに顛末を書いたので、ここに引用しておこう。

「Koboで出版しようと思ってwriting lifeのURLを探しまくったが、まったくどこにも届かない。いい加減うんざりして、日本の問い合わせ電話にかけてみた。
オペレーターの女性の説明は、誠実なのだが、はっきり言ってしどろもどろで、「しばらく前までは日本語で対応したこともあったのですが、今はやってません。元々カナダの会社で楽天と一緒になって、色々やっていたんですが、今は英語だけでやっています。」など、グダグダな説明。
そして、次のメールアドレスに用向きを書いて送ってくれというだけであった。

みなさんがもしそんな気がおこったらと思って、ここに書いておく。
writinglife@kobo.com
(そのままやないか〜!)
さっきたった3行のメールを書いて送ったので、そのうち返事が来るんだろうか?
楽しみに待っていてね。(^^)」2013年9月5日

2つ目のトラブルは自分が出版した本を試しに買ってみようと思った時のことだった。(これは普通やるだろう。最初嬉しいということと、ユーザーとしての振る舞いがどうなるか検証するためにも)すると、買えないではないか。買う直前にまでは到達するのだが、何度やっても買うことができない。

たまたま電書協のセミナーで楽天とAquafaddasが発表をしたことがあって、そのときに楽天の社員に質問をしたら、持ち帰って丁寧に対応してくれた。その結果判明したことは、私のWriting Lifeで使っている楽天アカウントでは購買者になれない。それがKoboの仕様であるという結論だった。

「著者としてご利用されているアカウントでは、 ご自身の本の購入ができない仕様。別のアカウントを使えば、問題なく購入はできる」

他のストアではないことで、あくまでも推測だが、出版社(者)のアカウントで購買行動をすることで販売スコアを上げて、売れ筋商品にするヤラセ行動をさせない仕様なのではないかということではないかと考えている。

それで、今回の問題は、Koboで新しい本を登録するときに起こった。

 

第1ステップの表紙画像をアップロードするときに、上のようなエラー・アラートが出て、一歩も先に進めない。このステップが保存されないと、たとえ残りの3ステップを完了しても出版にはいたらない。嫌な予感がした。以前にもこういう現象は確かに経験している。

 

案の定、4ステップ全部が終了して最初のステップに戻って表紙画像をアップロードしようとしてもアップロード出来ない現象は変わらない。そして、何一つ保存されないでdiscard(破棄)して終了(ログアウト)する以外に選択しがない状態になるのだ。

これでは困る。そこでKobo Writing Lifeのヘルプデスク(って言ったって、公式ページには全くその指示がない。だから、半ば無理やりメールを出したことになる)にメールした。その返事が次だ。

Hi there,

I’m sorry to hear that you’re having trouble uploading your cover image. This is a messaging error, the message indicates that your cover has not loaded when in fact it has. Our Development team is aware of this issue and in the process of investigation. We apologize for the inconvenience and we hope to have this fixed as soon as possible. You can continue with the publishing process as normal, if you log out and log back in your cover should appear. If not, please feel free to send it to me and I will load it manually.

手動でやってくれるという。じゃあ、やってもらおうじゃないか(笑)


笑い事ではなかった。

Hi there,

My apologies for the inconvenience, I had manually loaded the cover for you

Best,

ちゃんと表紙画像をアップロードしてくれた。ありがたい。すると、これまでに登録に失敗した新しい本の残骸が5つも残っていた。あ~あ。ありがたいことに、その残骸を全部削除することができた。その作業の途中で、別の本の残骸があったので、それも削除してもらった。

Hi there,

Thanks for letting me know, I’ve removed the duplicate copy.

Best,

Julia

ありがたいことだ。これでまだKobo Writing Lifeを続けることができそうだ。

 

7月29日EBook研究会例会のまとめ

7月29日例会のまとめ

1.中田:7月28日 デジタル教科書の世界標準EDUPUB (第6回) + 懇親会の報告
http://kokucheese.com/event/index/306340/

動画
http://www.jepa.or.jp/sem/20150728/

2.7月1日2日[国際] 電子出版EXPO (eBooks)の報告
7月1日

Yahoo!ブックストア 取り組み事例と今後の戦略(第19回[国際]電子出版EXPO)

メディアドゥ・楽天・オーバードライブの揃い踏み
http://www.mediado.jp/corporate/1215/

7月2日
Bill McCoy (IDPF Executive Director) 日本語逐次通訳付き
http://kokucheese.com/event/index/306338/

動画
http://www.jepa.or.jp/sem/20150702/

ボイジャー:デジタルからの出発 そして日本SF大賞へ 新しい作家をともに生み出そう 日本独立作家同盟の活動(第19回[国際]電子出版EXPO)

3.兼松:「Code for 青空文庫」アイデアソン

鷹野さんのレポート
http://www.wildhawkfield.com/2015/05/save-the-aozora-library.html

ボイジャーの提案:
2018年の青空文庫へ向けたアイデアソン
http://magazine-k.jp/2015/06/23/toward-aozora-bunko-in-2018/

香月さんのレポート(主催者の一人)
http://keisukekatsuki.hatenablog.com/entry/2015/06/02/203152

4.小出:自作EPUBエディタの制作経過

コードネーム「à la Carte」の開発報告
秋口の完成に向けて取り組んでいる。
eBook研究会でバグフィックスの協力を図る。

「まれ」とje t’aime moi non plusについて

je t’aime moi non plus

今朝の「まれ」を奥さんと見ていてちょっと恥ずかしい感じになった。
まれの作るケーキがJe t’aime moi non plusという名前だというからだ。随分昔の曲だから若い人には馴染みがないだろうし、小日向のやっているカリスマ・パティシエだって発売当時はまだ少年ぐらいだっただろう。
18禁もののゲンスブールの歌だ。


誰かが訳詞まで付けて解説しているのでそちらにお任せしよう。
NHKもなかなか大胆なシナリオを朝ドラで映像化しているね。

さて、面倒くさいことを書きますが、聞き流して下さい。

Je t’aime moi non plusというフランス語は、通常の対話としては間違っている。

通常なら

Je t’aime.

-Moi aussi, je t’aime.

私はあなたを愛している。

-僕も君を愛している。

Je ne t’aime pas.

-Moi, je ne t’aime pas non plus.

私はあなたを愛していない。

-僕も君を愛していない。

というのが通常の対話である。

しかし、この歌詞は

Je t’aime

-Moi non plus.

私はあなたを愛している。

-僕も(君を)愛していない。

これは

1. たんに耳が遠くて 「愛していない」と聞き間違えている(そんなはずはない)

2.「愛している」という言葉を聞いて、それは口だけで、相手の心は「愛していない」ことを見抜いている

3.「愛している」ことは確信して、わざと反対のことを言って相手をじらしている

私の解釈は、ゲンスブールは2だと思う。

肉体派のバルドーに対して「君も口だけだから、僕も本音を言おう、肉体は合わせているが、愛してはいない。」

これだ。

この曲ができたのがフランスでは1968年の5月革命を前にした何でもありの時代だったことを思い出そう。(と言っても、その時代を知らない人は当時の雰囲気がわかるはずはないだろうが)

また、ゲンスブールが白系ロシアのユダヤ人だという背景を考えないと、このシニックな表現のニュアンスがわからないだろうと思う。

壇蜜が誘う 金沢 泉鏡花の世界

「壇蜜が誘う 金沢 泉鏡花の世界 」

5月30日に金沢の石川テレビ放送で放映が終わったのだが、愛知県にいたので見られなかった。

http://www.ishikawa-tv.com/program/150530danmitsu/

デジタルエステイトでも『泉鏡教授の探偵旅行』、『泉鏡教授の旅行事件簿』という本を出しているので、泉鏡花に無縁ではない。

また、このドキュメンタリー番組を制作している金沢・東京の制作会社フィックスは、偶然だが私の従弟いとこが社長をやっているので、録画を頼んで見ることができた。(私と違って彼は大したものだ)

もちろん北陸新幹線の開業を記念した番組だが、泉鏡花の再評価に向けてまじめに取り組む姿勢に共感できる。

狂言回しに壇蜜を選んだのは悪い選択ではなかった。高野聖の「女」の役は特に良かった。テレビという制約があって無理だが、もっと露出があったほうがよかったのだが、それはともかく、義血侠血の(滝の)白糸役も良かった。

高野聖を読書で楽しむのもいいが、俳優の佐藤慶が朗読しているCDは絶品である。

このドキュメンタリーに登場する人々の中で、傾聴すべきは天守物語を演じた篠井英介で、同じく天守物語を演じた坂東玉三郎よりはるかに鏡花の世界を理解していることがわかる。

玉三郎と言えば、以前、名古屋で海神別荘の朗読会を見に行った時に、近松門左衛門の「おさん茂兵衛」(本題は『大経師昔暦』)を引き合いに出して、「江戸市中引き回しの刑だった」と言って、私と家内は思わず声に出したくらい驚いた。おさん茂兵衛は大阪の経師屋の話で、京都市中引き回しなんだけど、この人ものを知らないにも程があると思った。なんでもかんでも江戸じゃあないよ、むしろ江戸の話は後で作られたんで、(あるいは江戸に持っていったんで)歌舞伎の元も人形浄瑠璃から始まっているってことを忘れているか知らないか。

この『おさん茂兵衛』はかつて溝口健二監督、長谷川一夫と香川京子の主演で映画化された。歌舞伎で物足りない人にはお勧めの作品だ。

金沢にある泉鏡花記念館の学芸員の人の解説はなかなか良かった。それと比較すると村松友視の解説は当たらずといえども遠からず、どころか、当たらない上に遠いという程の話で、五木寛之の後釜を狙ってまんまと金沢通になりすましているが、泉鏡花の世界について全く無知だと思わざるをえない。もう少し勉強してから出なおして下さい。

新派の水谷八重子も出てきた。泉鏡花がいなければ新派もなかったので、当然といえば当然だ。婦系図の真砂町の先生、というのはドイツ語の教師だが、実際には自分と尾崎紅葉の関係を下敷きにしている。

いずれにしろ、このドキュメンタリーはなかなか良く出来た番組になっている。いまどきのくだらない番組の時間を減らして、もっとこういう真面目な教養番組を作ってほしいものだ。

このドキュメンタリーの中で東京の泉鏡花の住まいについても紹介されているが、そのなかで、神楽坂の住まいが、先日飲みに行った「竹子」のすぐ脇にあるというのに驚いた。今度行く時に拝んでこよう。とは言え、記念のプレートがあるだけだけどね。

天皇の料理番のフランス語

天皇の料理番というドラマを観ていた。主演の佐藤健のフランス語の発音があまりにひどいので、聞くに耐えなかった。

期待していた郷ひろみもひどい。かつて森鴎外をやったときのドイツ語は、自分がドイツ語は多少読める程度だから発音の批評ができる資格はないが、あのときはかなりちゃんとしていたように思った。
今回のは全然ダメ。誰が発音指導をしたのだろうか?僕にさせてくれればもう少しましになったと思う。それほどひどかった。

佐藤健のは、全く世界中どこにもない言語(らしきもの)をしゃべっていて、全く聞き取れない。自分が文盲になったように錯覚した。

それに、フランス人役で出ている俳優も、ネイティブのフランス人がほとんどいないのではないかと思う。恋人役の女の子もフランス人にしては発音がダメ、大使館に訪ねてきたマジストラと紹介された俳優も怪しい。

とにかく、あれではパリで料理の勉強をしたとは思えない。

最後に、佐藤健の(日本語も含めて)発声がドラマの最初から違和感が拭えない。
どうしてあんなに喉を締めて発声しているのだろうか?それが役作りなのか、方言の発音をするためなのか、いつまでたっても低音で喉を締めて押し殺したような発声をしているのが解せない。
彼のドラマの映画も見たことがないので、ああいう発声をする俳優なのかどうか判断ができないが、ともかくセリフが聞きづらくてたまらない。老人性難聴なのか、もう来週から見る元気がなくなった。